5時起床。
ロンドン五輪閉会式を見ながら、自分なりに、この五輪を総括してみた。
近代五輪生みの親、クーベルタン男爵。
英国人。
英国人のスポーツ熱を再認識させたロンドン五輪。
会場の声援も、五輪を観り上げる演出と考えれば、ロンドンっ子は最高の演出家ぞろいだったのではないか。
スポーツを楽しむに、「する、見る、支える」と、多面的な要素をスポーツ基本法で我が国も規定した。
その意味では、選手と観客、サポーターがツイッターでつぶやきあったのもロンドン五輪の特徴。
「つながる五輪」とでも形容できよう。
スポーツ振興という面から、スポーツのすそ野を広げるに、満点効果はあったように思う。
日本選手団の金メダルは、期待の15個に大きく届かず、7個。
なぜ届かなかったのかは、柔道の不振、水泳の北島の敗北、体操団体男子の落下が影響か?
でも。
メダル総数は過去最高の38個。
こちらをこそ高く評価すべきではないか。
JOCと文部科学省の強化連携のたまものと、高く評価していいと、思う。
まず、JOCは、ナショナルトレーニングセンターを拠点として、着実に強化策を練り上げ、底上げを果たした。
「NTC世代」の勝利ともいえよう。
文部科学省は、第一次・二次スポーツ振興基本計画に基づき、中期的に強化費を増額してきた。
とりわけ、マルチサポート事業の効果が大きかった。
全額国費。
設備・器具開発、スポーツ医科学支援、栄養学サポート、情報戦略部隊の活躍。
何よりも、その拠点として、JISSやナショナルトレーニングセンターがフル稼働。
エリートコースの創設や、ナショナルコーチ制度も充実。
トップレベルの競技スポーツを取り巻く環境が、格段に飛躍した効果。
「スポーツは国策」「チームJAPAN」の成果と断言できる。
スポーツ基本法の成立も好成績の後押しをしたと言えよう。
では、これからのスポーツ政策をどうすべきか、の課題を挙げてみたい。
@ toto法(スポーツ振興投票法)を改正し、さらにスポーツ振興財源を確保すること
A 霞ヶ丘国立競技場の改築(新築)
B スポーツ団体の連携(文部科学省を軸に、NAASH、JISS、体協、JOC、自治体の地域スポーツセンター、体育大学、企業等)
C セカンドキャリアへの道筋(リカレント教育や、プロアマ交流解禁)
D 地域スポーツクラブと、中体連・高体連との協力関係構築
E 障碍者スポーツ団体の専用NTCや地域運動施設開放
F チームJAPANのもと、各競技団体のトップレベルの交流
G 各スポーツ団体のガバナンス・財務体質の強化
H スポーツ仲裁制度への、各競技団体の応諾義務の受諾
I スポーツ外交への参加(とりわけ、各競技団体の世界連盟への理事輩出と、IOCへの影響力強化)
J ローザンヌ(IOC本部)に日本事務所設置
K WADA(世界アンチドーピング機構)への影響力強化
L スポーツの啓発・広報体制強化
・・・そんなことを考えていると、スパイスガールズが特別再結成されて閉会式に登場。
ベッカム夫人のヴィクトリアもいるぞ!
いいなぁ、このスペシャルな空間。
こういう五輪特有の華やかさも、国際社会の平和を維持するために大切だと思う。
五輪は平和であればこそ。
韓国サッカー選手の「独島は韓国の領土!」プラカード事件もあったが、あまり政治的にエスカレートしないことを願う。
いや、政治的に扱うべきではない。
政治家は、スポーツ環境整備に影で汗を流すべきで、政治の表舞台でスポーツを利用すべきではない。
新聞各紙を読み込み、この17日間の感動の数々を思い起こす。
すばらしい五輪だった。
自分がロス五輪に出場したのは、アフガン問題にあおられてソ連のボイコット騒動のあった1984年。
ちょうど星稜高校に国語科教員として赴任した、その夏。
28年前。
国際紛争に影響を受けるとともに、商業五輪の幕開けの時期でもあった。
テレビ放映権やロイヤリティ(商標権)で、「五輪はもうかる!」と、証明された五輪だった。
時代の流れに応じ、五輪の位置づけも変わるのだろうが、やはり、平和あればこその五輪という原点を守らねばならない。
10時半には小松空港に移動し、搭乗手続き。
2階の「中佐」で朝昼兼用ごはん。
弁慶うどんと、揚げごはんと、なめこおろし。
11時50分には羽田空港に到着し、国会へ直行。
国対で執務。
15時半には、ナショナルトレーニングセンターへ。
専修大学レスリング部の強化合宿参加。
あれ?
マスコミが4社も取材に来ているぞ?
五輪は終わったのに、なぜ?
取材を受けていた江藤正基JOCエリートコース監督に聞くと、
「米満効果と、NTC効果の取材ですよ! 馳せんせい、これからもスポーツ振興頼むよ!」と、鼻息荒い江藤さん。
いや、ロス五輪のグレコチーム主将だった関係からいえば、江藤大先輩。
やはり、こうしてマスコミで取り上げられることは大切。
練習では、グレコチームを中心に技術アドバイス。
押し、差し、突き落とし、引き込み、左右のバランス、膝の使い方・・・・
「グレコの差しは、足!」をキーワードに、下半身の踏込を指導。
また、ガッツレンチの鋭角的な膝の入れ方も指導。
「膝と肘は連動するように!」と、ローリングする時の軸を意識するようにアドバイス。
練習後は、専修大学チームを集めてミーティング。
怪我と減量へのアドバイス。
試合まであと10日。
ここからの調整が勝敗を分ける。
せっかく強化してきたのだから、
「最高のコンディションでインカレに臨もう!」と、意識の切り替えをアドバイスする。
20時、ようやく自宅に戻り、晩ごはん。
魚の干物。
イカの塩辛。
サラダ。
「鎌倉の宮下さんのところに行ってきたお土産よ!」とママ。
黄色いティシャツまでお土産にいただいてきたそうで、宮下さん、ありがとうございます!
22時、早々と寝る。