さわやかな秋晴れ。
しかし、おりんさんの咳は止まらない。
まだ起き上がれない。
かわいそうに・・・
妻がつきっきりで、一生懸命看病している。
パパは、静かに国会へ向かうばかり。
役に立たない夫だ。
午前8時過ぎ、国対に入り、菅議運筆頭理事と懇談。
「菅さんは、復興増税反対論者ですか?」
「反対!」
「良かった、私も大反対です。」
「馳さんといっしょ。」
「日銀引き受け枠の活用と、郵政株放出と、埋蔵金と、国有資産売却で十分まかなえる!と、思いませんか?!」
「そのとーり! 郵政株を放出しないのは、民主党が反対しているから。いま出ている政府提出法案は、政府が郵政株を保有する内容。国有化逆戻り法案。あれは改正し、郵政株を売却すればいいんだ!」
「どうして自民党幹部は、そういう重大問題を明確に発信できないんですかね。民主党が反対しているから郵政株売却できないんだ!って言うべき。民主党は国民新党に配慮し過ぎて政策をゆがめている!こういう時こそ、自民党から提案して、法案修正して、売却できるようにすればいいんだ!」
と、熱く語り合う。
今朝も街頭演説してきたという菅さん、いつも以上に熱い。
「国対にいなけりゃ、週3回は街頭演説できるんだけどなぁ・・・・」とも。
こういう良識派が、政調会長になって自民党を裁いてほしいものだ。
今の自民党幹部は、9.11テロを歴史の必然と暴言してみたり、民主党幹部に同調したり、ピントがずれているとしか言いようがない。
国政課題は何なのか、という大所高所の俯瞰的思考が必要ではないか。
常に国際社会から見た日本の役割を意識し、国家国民の平和を守る保守政治の常道を歩むべきだと思う。
お昼に国対正副会議。
いまだに民主党は臨時国会会期4日間で梃子でも動かない。
どうして論戦から逃げるのか?
明日の本会議で、採決で会期幅を決めるというので、せっかくだから、「俺に反対討論させてください!」と、佐藤勉代理にお願いする。
午後1時より、科学技術イノベーション特別委員会理事会。
シビアアクシデントマニュアル資料提出問題で、1時間半も議論。
50行中48行が黒塗りの過酷事故手順書(シビアアクシデントマニュアル)を、もったいぶって出してくる東京電力。
チェック役の保安院は何やってるんだ!
「知的財産保護と、核物質防護のためです!」
と、言い訳しているが、これだけ大量の放射性物質を環境中に放出していながら、笑止千万。
核物質防護できなかったから、国会で検証しようとしているのに、なんなんだこの隠ぺい体質は!
「国有化したり、訴訟になったら出せるんですか?」
と、呆れて追及しても、
「知的財産保護と、核物質防護のために・・・・」
と壊れたレコーダー。
あまりの隠蔽体質に、結局「法律に従っての資料請求」を、理事会として決定。
こりゃ、ほんまに東京電力の原発部門は国有化すべきだな。
長い理事会を終え、徒労感一杯に午後4時、国対に戻ってきたら、朗報。
佐藤勉代理から、
「馳さん、明日の反対討論をやってよ!」
と、指令が出る。
「やった、じゃあ、30分ぐらい演説していいですか?」
「そりゃ困る。5分以内ね!」
・・・・ちぇっ、言いたいことは山ほどあるのに。
でもいいや、反対討論者をやらせてくれるなら。
と、いうことで、30分ほどで、ちょちょいと反対討論を書き上げる。
5分以内だから、字数でいえば、1500〜1800字。
こんくらい、お手のもんだ。
せっかくだから、いつもの一句入れようかな?
「民主党 どじょうが出てきて どこへ行く」
道しるべは、3党合意だよ、野田総理!
夕方、いったん自宅に戻り、ジョギング1時間。
水シャワーを浴びて、たまプラーザの焼肉「壱語屋」へ。
専修大学レスリング部の木村コーチ、1年生4名を連れて、懇親会。
家庭の事情で、残念ながら、山内君が今日で退学。
明日合宿所を退寮し、新幹線で帰郷。
その送別会。
「人生いろいろあるよ。またどこかで会えるから、北九州に帰ってもがんばれよ!」
と、白いポロシャツをプレゼントして、激励。
肩と、ひじと、膝と、怪我の絶えなかった山内君。
本当は、もっと頑張りたかった。
でも、家庭の事情により、やむを得ず、レスリングを辞めて、実家に戻り、仕事を始める。
かわいそうだが、この屈辱と無念を受け止めなければならないことも、現実。
「俺の同級生も、家庭の事情で半年で実家に戻って、八百屋をやってるやつがいるよ。いろいろあるわな・・・」
と慰める。
まぁ、そうはいうものの、最後の晩餐。
腹いっぱい焼肉を食べて、この半年を振り返る。
最後に、握手をして別れる。
自宅に戻ると、やっぱりおりんさんは寝ていた。
まだ起き上がれないのであった。