隣で寝ていた西川さんが、ごそごそと動き出す。
「どしたん?」
「おしっこ!」
「ほな、わしも!」
と、いうわけで、いい歳こいたおっさん二人が連れション。
お手洗いに続く外の渡り廊下は、寒くない。
やっぱり地球温暖化?
星が瞬いている。
じっとたたずんで見上げる。
昨日は、雨の上がった夕方、岐阜県方面の空に虹が二つもかかっていて、一堂感嘆の声を挙げた。
自然の力は偉大だ。
霊峰白山。
なかなか寝付けず、やっぱりいつものように午前2時半過ぎには起き出して、室堂センター前で携帯電話チェック。
昨日、菅総理が、広島原爆平和祈念式典で、案の定、脱原発宣言。
一連の流れで想定内だったため、マスコミ報道も懐疑的。
原爆投下と原発と、混同させるそのセンスがわからない。
はっきり言えば、ヒロシマさえも延命利用しようとする菅総理の政治センスに、不愉快さを禁じ得ない。
頭が冴えて寝つけず、そのままヘッドライトをつけて、頂上アタック。
ヘッドライトは、一昨日、ディズニーシーのお土産に買ったドナルドダックの蛍光バッジ。
これがまた、何もない白山室堂では目立つんだ!
左右のストックを慎重に扱いながら、休憩をはさまずに、一気に登り切る。
未明の夜空はまだ、満点の星。
一歩一歩、かみしめて頂上アタック。
目指せ白山奥の宮。
てくてくと、頂上の石標にたどりついたのは、スタートから30分後。
汗がにじむが、山風は心地よい。
以前は寒くて冷たくて、いたたまれなかったんだがなぁ。
そのことを思うと、午前4時過ぎに下から吹き上げる風を心地よいと感じる今日の状況は、やはり異常気象だ。
「御前峯」と刻まれた石標のそばの巨岩に寝転がって、朝ぼらけを眺める。
星が少しずつ姿を消し、明るい雲と朝やけの雲とのグラデーションが、くっきりとしてくる。
あ、昇り龍のような雲が伊豆方面に見える。
地震雲?
そんなことはないか?
もしかして、松川が会いに来てくれたかな?
小1時間ほど、空を眺めていると、続々と頂上登山者が。
ざっとみつもっても、300名以上。
白山比盗_社(しらやまひめじんじゃ)の宮司さんの山の解説お聞きしてから、万歳三唱。
そして、お参り。
さらには、故 松川和司くんの弔いの儀式。
登山者一同、心おきなく合掌し、そして、最後には高らかに、馳浩の音頭で、
「松川和司、ばんざ〜〜〜い!」
と、万歳三唱。
この慰霊登山を目標にしていた山女の石原さんご夫妻も、西川さんも、川村くんも、そして妹の祥子さんも、みな、感慨無量。
帰りは、室堂方面の大パノラマを満喫しながら、下山。
室堂で参加者一同の記念撮影し、すべての行事を終了。
午前7時、10名のメンバーで下山。
馳、出ムチン、もっちゃん、かわむらっち、ミポリン、べに、西川さん、しゅうとくん、氷見ちゃん、もりえ。
途中、黒ぼこ岩からのパノラマは、この世のものとは思えない絶景。
新装になった甚之助避難小屋では、まだテーブルと長椅子ができていない。
南ヶ丘病院看護スタッフの登山チームから、
「馳さん、はよテーブル作ってま! 座れんがいね!」
と、叱咤激励を浴びてしまった。
確かに、トイレも休憩所もきれいになったが、登山者が本当に休憩する前庭は、ただの空き地状態。
少なくともテーブルと長椅子の5セットは必要だ。
白山市選出の県議にお願いしてみよう。
午前9時40分、無事に10名全員が、別当出合到着。
最期のつり橋で記念撮影。
最後の最後まで、お天気も良く、素晴らしい登山となった。
松川くんの御加護のおかげ?
霊峰白山に、感謝。
永井旅館でお風呂に入り、背広に着替え、鳥越一揆そばで昼食。
午後1時、国際ホテル。
前誠一市議の女性後援会に合流し、ご挨拶。
午後5時、勇退された米田義三前県議と、懇親を兼ねたミーティング。
午後8時、小松空港発のJAL機で上京。