午前3時46分起床。
不信任決議案一色。
昨夜の民主党造反議員の会合では、一律500万円配られたとの怪情報すら流れてくる。
もうここまで造反が拡大したら、自ら辞職表明するしかないだろう。
もしかしたら、本会議前に辞職表明し、不信任決議案は取りやめになるかもしれない、との選択肢まで情報が流れてきた。
朝早く、金沢の秘書はじめ、後援会幹部の皆さんや、県議市議の幹部の皆さんに、
「菅総理が大変混乱しているようです。もしかしたら、ブチ切れて解散する可能性もあります。被災地は選挙人名簿の確定すらできないで、選挙業務を放棄せざるを得ない状況ですが、それでも解散する可能性があります。万が一に備えておきたいと思います。」
と報告し、今日1日を見守ることをお伝えした。
午前8時、文部科学部会。
・ 小中学校などの施設整備について、基本方針改正を確認
・ 東日本大震災で被害を受けた私学の施設整備について、特例助成措置をとる法律(議員立法)を提出することを確認
二大方針を確認する。
午前9時10分国対正副。
逢沢委員長から、
「僅差の勝負になる。いよいよ菅政権不信任決議案採決!」
と報告がある。
午前10時、教育カウンセラー協会幹部の皆さまと、意見交換会。
午前11時45分、清和会総会。
町村会長から、谷垣政権のために結束しようとの決意表明あり。
そして、正午。
事態が急変。
テレビで生中継された民主党代議士会。
ちょうど1年前の今日のこの場所で、鳩山さんが辞意表明し、菅さんが後継となることになった。
仰々しい舞台設定のもとで、辞職表明を暗示するかのように、菅総理は語った。
「震災の復旧や復興、原発事故の対応に一定のめどがついたら、若い世代に責任を引き継ぐ」
と、辞意表明した。
それに続いてマイクを握った鳩山由紀夫さんが、
「復興基本法の成立や、2次補正のめどがついたら、職を辞していただくことで、この鳩山と菅さんがさきほど約束した。野党が提出する不信任には結束して反対しよう!」
と、さらに踏み込んだ表現で、総理辞任を確約した。
これで流れが一気に変わり、野党が提出する不信任決議案には「反対」で一致結束して行動する、となったようだ。
生中継でこれを見ていた自民党幹部は、唖然とした。
誰かが、
「茶番だ!辞めるといってない」
と、つぶやいた。
俺もおかしいと直感した。
「あれ?菅さんは明確に退陣と言っていないし、いつ辞めるとも言っていない。これで退陣の言質を取ったことにはならないじゃないか?あとで、前言を翻すこともありうる。」
と瞬間、そう思った。
キツネにつままれたようだ。
だまされた?
この不安が確信に変わることに、数時間もいらなかった。
なぜかというと、午後1時の、本会議開会前の廊下で、民主党の松木謙公代議士が、混乱した表情で、声を荒げながら、右往左往していたからだ。
「みんなおかしい!自民党も不信任を取り下げろ。ここで勝負したら終わりじゃないか!民主党もおかしい!」
と、行ったり来たり。
なるほど、菅さんがいつ辞めるか確約していないのであるから、逆にいえば、このまま菅政権がずるずると続いていくことになるわけだ。
情報は錯そうし、野党は脱力感に包まれながら、本会議は30分遅れで開会。
採決。
圧倒的大差で、否決。
自民党は
議決では完敗だったが、不信任決議案が投げかけた問題意識は、いくつかの波紋を及ぼした。
① 菅総理は、退陣を表明したのかしないのか?
② 菅総理は、辞めるのか辞めないのか?
③ 辞めるとして、退陣の時期はいつなのか?
④ 菅総理と鳩山前総理の見解(一定のめどがついたら辞めるという約束)は、一致するのか?
⑤ 一定のめどとは、具体的に何だ?
⑥ ポスト菅レースは、野党協調路線なくしてあり得ない。
⑦ 小沢さんを裏切った鳩山さんの政治的スタンスは何なのか?
⑧ 退陣を表明した総理のもとで、外交や内政の案件処理はできない。花道は、復興基本法成立のみ。
こんな菅総理を圧倒的な票差で、信任した民主党議員の政治的責任は、妥当なのか?
菅総理に、政権担当能力も危機管理能力もリーダーシップもないことが、今日改めて明らかになった。
菅総理は、その場しのぎのために、またしても「辞意表明?」のような言動で鳩山さんをだまし、仲間の議員をだまし、まんまと延命に成功した。
これが菅さんという人の本質なのだ。
この人の言動には、全く信頼が置けない。
本当にがっかりだ。
午後4時、アパホテル東京潮見駅前へ。
APAグループ創立40周年記念、勝兵塾開講記念、座右の銘出版記念、代表バースディパーティー。
元谷代表にお祝い申し上げて、午後5時半、また国会に戻る。
午後7時、予算委員会メンバー懇親会。
午後8時半、おりんさんを迎えに行き、自宅に戻る。
「テストの結果はどうだった?」
「・・・・微妙!」
そっか、微妙なわけね。
そういうこともあるさ。
ママはお仕事でいないので、おりんさんと一緒にご飯を食べる。