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はせ 日記
平成24年
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■8月27日(月)

 思わぬところで、自民党の総裁選挙がうごめきだしている。
 安倍総理の再登板だ。
 先週金曜日、とある代議士に、
 「この集まりの呼びかけ人となってよ!」と、一枚の文書を渡された。
 一読。
 金融対策を軸に、景気回復・経済回復を図ろう!と、安倍晋三元総理を担ぎ出す議員連盟のような内容。
 一瞬躊躇。
 でも、仲間からの呼びかけであり、そこにはまだ「安倍さんを総裁に担ぎ出す」との文言はなかったので、署名した。
 民主党政権でわきに追いやられた景気対策を、金融対策を軸に自民党が盛り返すというのはそれはそれで、意味があろう。
 でも、署名集めをしている人たちが、安倍内閣の取り巻きの方々なので、ちょっと、違うんじゃないのかな、と思っていた。
 安倍元総理が、この9月の自民党総裁選挙に立候補したい、という気持ちはわからないでもない。
 でも、まだ、永田町では、アノときのことを忘れている人はいない。

 5年前の9月。
 これから本会議が始まろうとしている、その時に、代議士会の途中に入ってきた衝撃のニュース。
 NHKテレビのテロップには、「安倍総理辞意表明」と、打たれた・・・・・
 誰もがへなへなと椅子に座り直し、これで自民党は終わった、と思った。
 その時の取り巻きの方々が、「今こそ安倍総理再登板!」と、いう機運を盛り上げてみても、
 「そうかな?」と、躊躇してしまう。
 なぜか?
 「政権交代のA級戦犯」
 「総理一年使い捨て」
 「投げ出しお坊ちゃま」と、いうレッテルが、まだ張り付いたままだからだ。
 誰も、腫れ物に触るようにそのことを言わないが、影の永田町ではそう呼ばれている。
 今、竹島や尖閣諸島や歴史認識の問題で、政府対応は混迷を深めている。
 だからこそ、保守派の論客の安倍晋三さんを、という気持ちはわからぬでもない。
 でも、取り巻きの方々がそれを言えば言うほど、遠心力が働く。
 安倍側近という方々は、とても発信力があるけれど、同時に遠心力も働いている。
 「まだ、復帰は早いんじゃないの?」
 「一度、泥をかぶって、汗を流してからでも遅くはないよ」
 「総理を投げ出した時に、周りがどういう気持ちになっていたか、わかっているの?」
 「安倍さんが、幹事長や官房長官や総理に引き上げてくれた時に、側近以外に、陰で支えていた人たちの気持ちをわかっているの?」
 「まだ若いじゃないか!」
 ・・・・・・・・と、いう気持ちは充満している。
 と同時に、そういう人たちは、安倍先生の再登板を願っている人が、とても多い。

 明るくて、有能で、教養があって、毛並みもよくて、何よりも勘所の鋭い政治家。
 誰もが愛する安倍元総理。
 でも、再登板となると、意味合いは違ってくる。
 その空気が、安倍先生に伝わっているのかどうか、だ。
 谷垣さんが、野党自民党総裁として、それこそ毎日泥をかぶっているこの状況で、安倍さんが突出することは、決してプラスではない。
 大阪維新の会と、意思を通じあっているようにも見えるが、それはそれで政策を通じて気脈を通じあうことはいい。
 けれど、自民党総裁として総理大臣をつとめた人だけに、ちょっと、再登板のタイミングを慎重に判断してほしい、と思う。
 この9月の総裁選ではない、とそう思う。
 無理をして出馬することは、だれも止められない。
 けれど。
 それでいいのだろうか、との倫理的な課題は皆の心の奥底に残っている。
 「一度けじめが必要なんだけどな・・・・・」
 「泥をかぶって誰かの応援をしてくれてもいいんじゃ・・・・・」
 「周りの声を冷静に判断してほしい・・・・・」と、いう声なき声の大きさよ。

 金沢から、朝一便の飛行機で、午前中に国会に戻って、国会対策の仕事をしていたが、あちこちで、
 「安倍さん、大丈夫か」
 「町村さんとこの派閥、大丈夫か」
 「町村さんと安倍さん、大丈夫か」
 「安倍さん、焦らないほうがいいんだけどね」
 「安倍さんの立場、微妙だよね」と、声をかけられる。
 俺が同じ派閥所属なものだから、しゃべりやすいのだろう。
 そう尋ねられるたびに、
 「そちらこそ、どう思います?」と、安倍さんのことを聞いてみると、異口同音に、
 「いつかは復活してほしいよね、日本にとって大事なリーダーなんだけどね・・・・・・・・・・・・・・・・・」と、言葉尻が重い。
 その言葉尻の重さを、安倍側近のみなさんにもわかってほしいのだが。

 お昼に、国対正副。
 民主党国対が暴走してる。
 公債特例法案を金曜日に強行採決。
 そして今日は、選挙制度改革法案を、強行採決。
 相次ぐ採決は、参議院でのねじれ国会を見越してのパフォーマンス。
 「ぼくたちは賛成してるんだけど、野党が反対するんだよね!」とのお坊ちゃま政治。
 衆参ねじれであるからこそ、調整が必要。
 民主党の独自案を軸に、調整に汗を流すべき。
 ましてや、かつての民主党は、
 「会期末20日前までに、参議院に重要法案をおくらなければ成立の確約はできない!」との慣例を作っていた。
 その自らが作った慣例を破って強行採決とは、悲しくなってくる。

 参議院での成立が無理だとわかっていて、その責任を野党になすりつける浅はかなやり方。
 ・ 公債特例法案は、国家予算の財源裏打ち根拠となる重要法案。
 ・ 選挙制度改革法案は、少なくとも1票の格差解消しないと憲法違反。
 わかりきっているくらい重要な法案。
 なのに、強行するとは愚の骨頂。
 自民党としては、問責決議案提出を、谷垣総裁に一任。

 夜、9時に塾から帰ってきたおりんさんと、ママといっしょに晩ごはん。
 おかずは、缶詰ホタテ入りオムレツと、肉入り茄子味噌炒め。
 缶ビール2本もススム!
 テレビでは、AKB48の前田敦子さんの卒業公演を、秋葉原のAKB48劇場で生中継していた。
 一つの時代が終わるような寂寥感と、これからAKB的アイドルは、どうなるのだろうかというテレビ局のあおりをも、感じる。
 「モモ色クローバーZ」が、出てくるような気がするんだけど・・・・・


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