思わぬところで、自民党の総裁選挙がうごめきだしている。
安倍総理の再登板だ。
先週金曜日、とある代議士に、
「この集まりの呼びかけ人となってよ!」と、一枚の文書を渡された。
一読。
金融対策を軸に、景気回復・経済回復を図ろう!と、安倍晋三元総理を担ぎ出す議員連盟のような内容。
一瞬躊躇。
でも、仲間からの呼びかけであり、そこにはまだ「安倍さんを総裁に担ぎ出す」との文言はなかったので、署名した。
民主党政権でわきに追いやられた景気対策を、金融対策を軸に自民党が盛り返すというのはそれはそれで、意味があろう。
でも、署名集めをしている人たちが、安倍内閣の取り巻きの方々なので、ちょっと、違うんじゃないのかな、と思っていた。
安倍元総理が、この9月の自民党総裁選挙に立候補したい、という気持ちはわからないでもない。
でも、まだ、永田町では、アノときのことを忘れている人はいない。
5年前の9月。
これから本会議が始まろうとしている、その時に、代議士会の途中に入ってきた衝撃のニュース。
NHKテレビのテロップには、「安倍総理辞意表明」と、打たれた・・・・・
誰もがへなへなと椅子に座り直し、これで自民党は終わった、と思った。
その時の取り巻きの方々が、「今こそ安倍総理再登板!」と、いう機運を盛り上げてみても、
「そうかな?」と、躊躇してしまう。
なぜか?
「政権交代のA級戦犯」
「総理一年使い捨て」
「投げ出しお坊ちゃま」と、いうレッテルが、まだ張り付いたままだからだ。
誰も、腫れ物に触るようにそのことを言わないが、影の永田町ではそう呼ばれている。
今、竹島や尖閣諸島や歴史認識の問題で、政府対応は混迷を深めている。
だからこそ、保守派の論客の安倍晋三さんを、という気持ちはわからぬでもない。
でも、取り巻きの方々がそれを言えば言うほど、遠心力が働く。
安倍側近という方々は、とても発信力があるけれど、同時に遠心力も働いている。
「まだ、復帰は早いんじゃないの?」
「一度、泥をかぶって、汗を流してからでも遅くはないよ」
「総理を投げ出した時に、周りがどういう気持ちになっていたか、わかっているの?」
「安倍さんが、幹事長や官房長官や総理に引き上げてくれた時に、側近以外に、陰で支えていた人たちの気持ちをわかっているの?」
「まだ若いじゃないか!」
・・・・・・・・と、いう気持ちは充満している。
と同時に、そういう人たちは、安倍先生の再登板を願っている人が、とても多い。
明るくて、有能で、教養があって、毛並みもよくて、何よりも勘所の鋭い政治家。
誰もが愛する安倍元総理。
でも、再登板となると、意味合いは違ってくる。
その空気が、安倍先生に伝わっているのかどうか、だ。
谷垣さんが、野党自民党総裁として、それこそ毎日泥をかぶっているこの状況で、安倍さんが突出することは、決してプラスではない。
大阪維新の会と、意思を通じあっているようにも見えるが、それはそれで政策を通じて気脈を通じあうことはいい。
けれど、自民党総裁として総理大臣をつとめた人だけに、ちょっと、再登板のタイミングを慎重に判断してほしい、と思う。
この9月の総裁選ではない、とそう思う。
無理をして出馬することは、だれも止められない。
けれど。
それでいいのだろうか、との倫理的な課題は皆の心の奥底に残っている。
「一度けじめが必要なんだけどな・・・・・」
「泥をかぶって誰かの応援をしてくれてもいいんじゃ・・・・・」
「周りの声を冷静に判断してほしい・・・・・」と、いう声なき声の大きさよ。
金沢から、朝一便の飛行機で、午前中に国会に戻って、国会対策の仕事をしていたが、あちこちで、
「安倍さん、大丈夫か」
「町村さんとこの派閥、大丈夫か」
「町村さんと安倍さん、大丈夫か」
「安倍さん、焦らないほうがいいんだけどね」
「安倍さんの立場、微妙だよね」と、声をかけられる。
俺が同じ派閥所属なものだから、しゃべりやすいのだろう。
そう尋ねられるたびに、
「そちらこそ、どう思います?」と、安倍さんのことを聞いてみると、異口同音に、
「いつかは復活してほしいよね、日本にとって大事なリーダーなんだけどね・・・・・・・・・・・・・・・・・」と、言葉尻が重い。
その言葉尻の重さを、安倍側近のみなさんにもわかってほしいのだが。
お昼に、国対正副。
民主党国対が暴走してる。
公債特例法案を金曜日に強行採決。
そして今日は、選挙制度改革法案を、強行採決。
相次ぐ採決は、参議院でのねじれ国会を見越してのパフォーマンス。
「ぼくたちは賛成してるんだけど、野党が反対するんだよね!」とのお坊ちゃま政治。
衆参ねじれであるからこそ、調整が必要。
民主党の独自案を軸に、調整に汗を流すべき。
ましてや、かつての民主党は、
「会期末20日前までに、参議院に重要法案をおくらなければ成立の確約はできない!」との慣例を作っていた。
その自らが作った慣例を破って強行採決とは、悲しくなってくる。
参議院での成立が無理だとわかっていて、その責任を野党になすりつける浅はかなやり方。
・ 公債特例法案は、国家予算の財源裏打ち根拠となる重要法案。
・ 選挙制度改革法案は、少なくとも1票の格差解消しないと憲法違反。
わかりきっているくらい重要な法案。
なのに、強行するとは愚の骨頂。
自民党としては、問責決議案提出を、谷垣総裁に一任。
夜、9時に塾から帰ってきたおりんさんと、ママといっしょに晩ごはん。
おかずは、缶詰ホタテ入りオムレツと、肉入り茄子味噌炒め。
缶ビール2本もススム!
テレビでは、AKB48の前田敦子さんの卒業公演を、秋葉原のAKB48劇場で生中継していた。
一つの時代が終わるような寂寥感と、これからAKB的アイドルは、どうなるのだろうかというテレビ局のあおりをも、感じる。
「モモ色クローバーZ」が、出てくるような気がするんだけど・・・・・