馳浩・環境外交の船出
馳浩が日本代表を務める『東北アジア環境文化連合』の紹介


  1.代表人事 

 馳浩 日本委員長/衆議院議員

 日本には「三度目の正直」という言葉があります。これは、物事は三度目に期待通りの結果が生まれる、という意味です。我々の「東北アジア環境・文化連合」もまさしく「三度目」を迎えて、創立総会を開催することができました。

 大変喜ばしい限りであり、また意義深いことであります。と言いますのも、ご承知のように、わが国と韓国・中国は、現在歴史教科書問題や靖国参拝問題を抱えています。にもかかわらず、これを乗り越えて、今般創立総会が開催できるとともに、三国共通の環境問題を解決することの重要性を改めて感じる次第です。

 今日、環境問題は一国で解決できる問題ではなくなっています。地球温暖化問題にみられるように、国際的な、地球規模での取り組みが不可欠になっています。しかし環境問題はこれだけにとどまりません。地球規模とはいかないまでも、複数の国にまたがる環境問題もあり、これらの問題は、関係当事者国が一致協力して努力しなければ解決できません。我々三国においては、酸性雨問題になっている黄砂問題がまさしくこれにあたります。その際、広く国民の支持と理解を得るためにも、文化的手法を使いながら、環境問題を解決することが重要です。

 文化のもつ力を信じなければなりません。そして今回、中国で最も深刻な問題になっている黄砂問題を当連合の最初のテーマにできたことは、わが国が環境面から国際貢献を果たしていこうとする外交方針から考えても、大変喜ばしいことであります。また、日本ではそれほどでもない黄砂の被害が、中国そして韓国でどれほど莫大かを知る上でも有意義です。なぜなら国際貢献は相手国の内情を真摯に理解してこそ有意義なものになると考えるからです。最後に、わが国においては、二国間からなる国会議員同士の議員連盟は数多くありますが、当連合のような三国から構成される委員会は希有な存在です。したがって、これを大切に育てていかなければならないと考えておりますし、当連合の果たすべき使命や役割が今後大きくなるものと確信しております。私は当連合発展のために最大限の努力を果たすことを、ここに参加の日本側の委員全員とともにお誓い申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。本日の創立総会の開催、本当におめでとうございます。

 

 姜雲太(kang,Un-Tae) 韓国委員長/国会議員 

環境と文化を尊重する紳士淑女の皆様!
私は、今日、「東北アジア環境・文化連合」が発足したことを意味深く考えております。何よりも我々の組織の新たな船出に際し、ソウルに訪問してくださった中国と日本側の代表団の皆様を心から歓迎いたします。

振り返ってみますと韓国と中国と日本は長い歴史を通じて、切っても切れない関係を保ちながら、東北アジアの地を生命の場として開拓してきました。そして今、辛い試練と逆境を乗り越え、世界で最も躍動的で希望のあふれる地球の中心となりました。

我々は、自由と開放の21世紀を迎え、この東北アジアを1次元高い生命共同体として位置付けなければなりません。その基礎として我々の自然環境を新しく整理しなおし、新たな文化を創造することから始らなければならない、と考えております。

一例として、近年、大気汚染によって黄砂現象と亜黄酸ガスが悪化し、水資源の汚染と荒廃地が拡大しつつあります。我々人類の未来を脅かしているこの環境問題は決して軽々しく扱うことのできない、現実的な問題として現れてきています。

このような問題は一国だけで解決できるものではありません。中国大陸から吹いてきた風が韓国を経て日本へ行き、日本から形成された雲が今度は韓国を経て中国へと移動していくのです。大韓民国に広がる空は韓国人の空であるばかりでなく、東北アジア人全ての空でもあります。土地も海も大自然の中では皆一つであり、一部分に過ぎません。

我々の文化も同様です。各国ごとに独創性と多様性を有しながらも、お互い共有できる共通の精神を持っております。数千年を経て、我々は日常生活習慣から食生活に至るまで非常に類似性がみられます。そしてその精神の源は東洋的なもの、お互い助け合うという相互の精神と自然に対する畏敬の思想から始ったものだと私は考えております。そして今、韓国と中国、日本の三国はお互い離れられない共存共生の関係になりました。

親愛する紳士淑女の皆様!
東北アジア環境文化連合組織委員の皆様! 協力と相生の時代精神を実践していくことは我々三国の指導者と知識人の使命です。黄砂退治運動はもう中国だけの問題ではありません。我々自身の問題です。より澄んだ空ときれいな海と美しい自然環境を保つのは我々の人生の価値を高めることであり、子孫に対する義務でもあります。

東北アジア人としての格調高い人間性とその文化を担っていくことは世界人類の繁栄と幸福にとって重要なことです。その一翼として、「東北アジア環境文化連合」が創設されたことは歴史的にも画期的で意味深いことだと考えています。またこの組織が、隣国間協力組織体のモデルとして、21世紀情報化社会の人的ネットワークとして非常に有益であると確信しております。政府間で解決しにくい問題であっても我々の組織を通じてなんとか解決の糸口を見つけることができるのではないか、と期待しております。

最後に明日への希望と友情を胸にソウルを訪問して下さった中国と日本代表団の皆様へもう一度感謝します。私自身、皆様の意志に沿って我々の組織が東北アジアの環境と文化に関する、実質的な使命を探求し、更に発展できるよう最善を尽くす所存です。我々、「東北アジア環境・文化連合」のさらなる発展と皆様のご健勝を祈念し、挨拶と代えさせていただきます。

 

 高占祥(Gao Zhan Xiang) 中国委員長/全国政協常委

 このような席上にお招きいただきましたことを大変光栄に思っております。

ここで、一つの諺をご紹介させていただきたいと思います。それは、「先人のお陰で、後世の人が得をする」というものです。我々が、これからしていこうとする事業は、まさに次の時代を生きていく人たちのためになる大変高貴な事業であると思います。

 まず、東北アジア環境・文化連合の発足に携わった皆様に心からお礼申し上げます。中でも、姜雲太首席代表に深くお礼を申し上げたいと思います。姜代表は我々の中でも最も先駆者的な存在です。

彼の将来を見抜く力があったからこそ我々がここに集うことができたのではないでしょうか。我々は彼の功績を心の中に刻んでおかねばなりません。

 4月中頃、李端環主席と姜雲太代表の会見がありました際、このように申し上げました。「黄砂が飛んでいく所ならビザも要らないし、海が繋がっているところは国境も存在しない」と。韓・中・日は隣国です。環境問題は即ち、国際問題となりうる深刻なテーマです。

本連合は東北アジアの環境のために必要であるだけでなく、それ以上に重要な役割を担っている団体なのです。

 この場にいらっしゃる皆様、我々は神聖な使命を全うしなければなりません。これから、我々皆が、共に努力していけば、我々の使命を果たすことができると確信しています。

2001年11月16日、大韓民国ソウルにおいて開催される「東北アジア環境・文化連合」の創立総会に際し、心からお祝い申しあげます。

  

  2.結成背景・目的

・東北アジアの韓・中・日三国は、地理的に隣接しており、社会・文化面におき、活発な交流がなされてきた。三国は、文化、自然資源、人力、技術及び資本等、相互補完の要素を共有しているため、政治的境界を超越した天恵的に協力の条件を形成している。

 

・また、韓・中・日三国は同じ生態圏にあり、気象学的にも影響をもたらし合う同一の生態界を構成しているが、急速な経済成長と産業化に伴う環境汚染と生態界破壊は深刻な問題として浮上しているため、共同対応の懸案が必要な状況にある。

 

・従って環境と文化の21世紀を迎え、東北アジアに所属している国同士の善隣友好と繁栄を図るため、地理及び、文化面におき、連帯性を持つ韓・中・日三国を中心に東北アジアの新しい協力共同体系の構築が要望される。

 

・特に,国境を超越した大気汚染の黄砂問題及び共有海域の環境汚染など東北アジア三国が直面している環境危機を克服するための環境関連情報のネットワーキングの共有など東北アジア地域内国家間に環境協力の必要性が増大している。

 

・より、東北アジア地域内越境性大気汚染である黄砂退治に尽力し、民間次元の環境・文化の協力体制を整え、文化協力の増進と共に環境問題に共同対応できる求心点役割をする「東北アジア環境・文化連合」を構成する。

 

  3.設立経過

・東北アジアの環境及び文化関係者の関心を浴びる中、環境運動組織を結成することにし、韓国が主になり組織結成を展開

 −韓国組織委員の結成(2001.3.19)

 −韓国組織委員の顔合わせ(14名、2001.3.19)

 

・韓国組織委員の日本訪問(2001.3.25〜3.29)

 −訪問委員:姜雲太(民主党)代表他8名

 −韓・日組織委員会議開催(3.26)

 −野中衆議院議員(元自民党幹事長)及び、民主党の羽田元首相と面談、協力を要請

 

・韓国組織委員中国訪問(2001.4.12〜4.15)

 −訪問委員:姜雲太代表他10名

 −韓・中組織委員会議開催(4/14)

 −李瑞環全国政協主席及び、環境部副総局長(次官)面談、中国CCTV訪問

 

・三国予備会議開催(2001.5.10)

 −場所:大韓民国 国会憲政記念館

 −参加者:総14名

 −韓国:姜雲太代表他7名

 −中国:黄丕通副主席他5名

  日本:馳浩代表他2名

 

  4.宣言文

「東北アジア環境・文化連合」Seoul宣言

韓国、中国及び、日本から集まった我々120名は、今日Seoulに集まり、「東北アジア環境・文化連合」の創立を宣布したいと願っています。

韓、中、日三国は、文化的類似性はもちろん、地理的にも隣接しており、さらに同じ環境圏に属しているため、相互に影響を与え合っています。たとえ、我々の国籍が異なり、携わっている仕事も一様ではなくても、東北アジア地域の環境保護と相互文化交流の増大及び、各国の国民間の友情と親善をより強化していくために、ここに集まりました。

「東北アジア環境・文化連合」は、民間性の強い国際組織で、本部は大韓民国Seoulに設置します。「東北アジア環境・文化連合」を結成した唯一で、かつ重要な趣旨は、東北アジアに属する各国の国民の持つ環境意識を一次元高くし、東北アジア地域の環境保護事業及び、文化・経済における繁栄を図ることです。

このため、我々は、2002年より、毎年3月4週目を「東北アジア環境週間」にすることを宣布します。「東北アジア環境週間」記念行事は、各国を巡回し、「東北アジア環境特別貢献賞」の授賞式及び、慈善募金公演等の活動を開催する予定です。この他に、各国委員会は多様な形の環境と文化に関連する事業を開催していきます。全体的には、三国が黄砂と海洋汚染問題を解決するために、より効果的な活動を展開していきます。

我々は、「環境保護」というテーマは、21世紀、世界各国政府と国民の共同主題であり、環境問題それ自体は、国際問題につながるということは承知しています。東北アジア各国は、相互信頼し、人類の生存と発展のために卓越の貢献をしなければなりません。

我々は、これから行っていく共同事業が崇高であることを、また青い山のように永遠で、青い川のように止まず流れることを確信しています。

2001年11月16日Seoulにて

東北アジア環境・文化連合委員会全体委員

 

  5.向後事業計画

1.2002年 事業計画

 教育事業
(年中)

−ホームページの開設
−環境教育プログラムの開発
−環境キャンペーンソングの普及

 広報事業
(年中)

−名誉広報委員を通しての広報
−三国名誉広報委員のコンサートを通しての広報
−三国名誉広報委員のレコード発売時、環境シールを付着し、広報

 毎年定例事業
 ・環境週間制定行事
(2002年中国北京開催
 2002年3月4週目)

−定期総会
−環境賞制定受賞(1名)
−学術セミナー(環境専門家・環境学者)
−三国トップ歌手のコンサート
−黄砂現場訪問及び、緑化実践運動

 

2.基金募金事業計画(案)

基金募金行事 

・2002年2月末(予定)
 日本(東京)

・2002年3月末(予定)
 韓国(ソウル)

・2002年2月末(予定)
 中国(北京)

−2002年 韓中修交10周年
 日中修交30周年記念文化行事開催

−三国名誉広報委員(歌手)コンサートの開催

−人間、環境、平和をテーマに韓国一回、中国一回、日本一回の大規模のジョイントコンサート開催

−2002ワールドカップの成功祈願の韓日代表歌手のジョイントコンサートを通してワールドカップに対する国民的関心の拡散及び、両国民の共感帯形成

−韓・中・日大衆文化交流の活性化とこれを通し、三国の国民がお互いの大衆文化について理解できる契機の設け

基金募金
(年中) 

−韓・中・日名誉広報委員のレコード発売時に環境シールの付着。基金募金運動

 

  6.創立総会

・日  時:2001年11月16日(金)10:00

・場  所:大韓民国 国会 憲政記念館 大講堂

・参加対象:

 −三国組織委員及び、名誉広報委員
 −国会議長、韓国国会議員、招請来賓及び記者団

・主要日程

行 事
日 時
内 容
場 所

創立総会前夜祭

11月15日(木)18:00

国務総理主催

PLAZA Hotel
Grand Ball Room
A Hall(別館B1F)

創立総会

11月16日(金)10:00

三国組織委員参加

憲政記念館 大講堂

祝賀午餐

11月16日(金)12:00

国会議長主催

憲政記念館3F

 

  7.組織図

 

 

  8.組織委員現況

組織委員現況(韓国)

組織委員現況(中国)

組織委員現況(日本)

  



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