予算委員会・第四分科会議録 第1号
 
(関係部分 抜粋)

第159回  国会  衆議院

 平成16年3月1日(月曜日)

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○小杉主査

 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。
 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願いいたします。
 本分科会は、文部科学省所管について審査を行うこととなっております。

 平成16年度一般会計予算、平成16年度特別会計予算及び平成16年度政府関係機関予算中文部科学省所管について審査を進めます。

 

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○西村(康)分科員

 今後、どんなふうにして財源を確保していくのかを含めて、これは私の常々思っているアイデアなんですが、一つには、お金持ちの成功された方が、最後、相続税で持っていかれるよりかはこういう奨学金の基金に寄附をする、そういうときに税制上の優遇措置があるというようなこととか、あるいは、年金制度におきましても年金の積立金があるわけですけれども、これは子供たち、教育費の手助けにもなりますので、次世代を育てるという意味でも年金の積立金を活用するとか、あるいは、今御答弁にありましたように、きちっと返済をされているということですので、例えば郵便貯金なんかを活用するとか、いろいろな財源の確保の仕方があると思うんです。ぜひ、そんないろいろなアイデアを結集していただいて、この奨学金制度を充実させていただければと思います。

 この点、どんなふうにお考えなのか。これは馳政務官に、政治家としての思いをお聞きできればと思います。

 

○馳大臣政務官

 それぞれの団体においても奨学金制度を充実してやっておられるということも承知いたしておりますので、この財源の確保について、すべてがすべて国で面倒見るということもいいのかどうか、また、各団体がやっておられる奨学金を、税制等でバックアップしながらやって、さらに拡充していただくのがよいのか、そういったことも研究しながら、より一層充実できるようにはしていきたいと思っております。

 

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○西分科員 公明党の西博義でございます。

 河村大臣、長時間大変に御苦労さまでございます。初めに、小学校における英語教育についてお伺いをしたいと思います。

 大臣も積極的にこの推進を図っておられると聞いておりますが、我が党の神崎代表の本会議質問に対しても、大臣から、小学校における英語教育の導入について前向きな御答弁がございました。そのことを踏まえまして、既にいろいろな御計画があるかと思うんですが、この導入について、初めに、いつごろから具体化をしていこうとされるのか、このスケジュールについて御説明をお願いしたいと思います。

 

○馳大臣政務官

 まず現状と、そしてそれを踏まえた今後のスケジュールについてお話し申し上げます。

 総合的な学習の時間で、国際理解に関する学習の一環として、現在、過半数の学校で英会話活動が取り入れられております。また、文部科学省が指定した研究開発学校六十七校や、特区十六自治体において英語教育を必修とするという取り組みが行われております。

 これらを踏まえまして、今後、総合的な学習の時間や研究開発学校の成果の検証、諸外国の事例の検証、これは韓国や中国の一部で行われている実態を踏まえまして、小学校における英語教育のあり方を含め、初等中等教育における外国語教育の充実改善について検討を行い、平成十六年度中を目途に基本的な方向性について中教審の教育課程部会において取りまとめをいただいた上で、その後、小学校における英語教育の導入についての検討に入りたい、このように考えております。

 

 

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○西分科員

 ありがとうございました。積極的な御発言だと理解させていただきます。

 一方、最近英語熱が大変高くなって、報道によると、小学校から高校までずっと義務教育期間も含めて全部英語で授業をする、こういうところの話も出ておりますが、インターナショナルスクールを卒業した生徒さんにお聞きしますと、逆に、日本にいながらなかなか日本のことがわからない、例えば漢字がなかなか理解できない、こんなことが言われているような嫌いもございます。

 決して水を差すわけではありませんけれども、そういう形で日本語も英語も両方中途半端になってしまう、こんな問題も極端な場合には起こってくるということもございます。また、将来、日本の大学に進学をしたり、途中でほかの学校に事情でかわっていくというようなこともあるでしょうし、さまざまな課題が今後起こり得るんじゃないか、こういうことも若干危惧をしております。

 これらのデメリットの面につきましても、専門家の検討を十分お願いしたいというようなこと、どうしたら理想的なバイリンガルの教育ができるのかということを学問的にもやはり突き詰めて、十分な研究、検討をお願いしたいと思うんですが、その点について御答弁をお願いしたいと思います。

 

○馳大臣政務官

 特区では、例えば、平成十七年度に小中高一貫の私立の学校が開設される群馬県太田市の取り組みがあるということは承知いたしております。また、西先生おっしゃいますような、日本の大学への進学のときとか、また各教科の理解が十分深まるのであろうかとか、そういった懸念があるということも承知をいたしております。そこで、国語科での少人数による授業の実施とか、きめ細かい学習到達度の把握を行うことなどの対応が必要になってこようかと思っております。

 特区でございますので、基本的には自治体が主体的に判断されることではありますが、特区制度のやはり評価、検証といったものも我が省としてしなければなりませんので、従来より研究開発学校に関する評価をお願いしてきた専門家の協力を得ながら、この特区のような取り組みが本当に効果のあるものとなるように、必要な助言を行ってまいりたいと思っております。

 

 

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○西分科員

 私が想定する以上の責任のある御答弁をちょうだいいたしました。まさしく世界遺産ですから、国を代表する遺産だという側面からすれば当然のことだろうと思っております。よろしく御尽力のほどお願い申し上げます。

 では、続きまして、高等学校の設置基準のことについて、若干最後に御質問をさせていただきたいと思います。

 先日、政府の地域再生本部は、学校の廃校など公共施設を転用しても補助金の返還を不要とするというような規制緩和の措置を決定いたしました。私もいろいろなところからそういう御要望がありましたが、貸してあげたいけれども、途中で補助金の返還が要るからなかなか進まないというような事例がたくさんあったんですが、このように決定をしていただきました。地域において比較的便利な場所にある施設の有効利用が自治体の判断で今後進んでいくということは、大変結構なことだというふうに思っております。

 ところで、補助金の返還問題のほかに、学校施設の有効利用に当たり、もう一つ支障がございます。それは、高校設置基準が私立学校の使用を妨げるケースがあります。

 小学校、中学校の設置基準第十二条に「他の学校等の施設及び設備の使用」ということで規定されておりますが、高等学校の設置基準には規定がございません。規定がないので、本来、高校でも他の学校の施設を使用することは自由だというふうに解釈ができるかと思うんですが、まずその点についてお伺いをしたいと思います。

 

○馳大臣政務官

 先生御指摘のとおり、使用はできますが、何でも自由というわけではございませんで、特別な事情があり、かつ教育上、安全上支障がない限りにおいては、使うことは現行でもできます。

 

○西分科員

 ありがとうございます。

 そういう趣旨で小中と同様な明記がされていないんだと思っておりましたが、地方の自治体では、書いていないことで若干不安がありまして、本当にできるんだろうかと気にしている側面もありますので申し上げました。

 都道府県は、この設置基準に基づいて、私立学校の設置認可等に関する審査基準のようなものをそれぞれの自治体で設けております。現実には、高校の場合、他の学校施設を利用して学校を設置しようとしても、この十二条のような規定がないために、都道府県が学校の設置を認めようとしなくてなかなか許可されにくいというようなケースがございました。高校においてこの設置基準も大綱化すべきである、このように考えておりますが、御見解をお願いしたいと思います。

 

○馳大臣政務官

 平成十五年度中でありますから、この三月中にでも、先生がおっしゃるように改正に向けて取り組んでまいりますし、また、高等学校設置基準の改正後において、各都道府県における私立学校の設置認可審査基準がより弾力的な取り扱いとなるように見直しについて促してまいりたいと思っております。

 

○西分科員

 大臣、副大臣、政務官、それぞれのお立場で責任ある御答弁をちょうだいいたしましたことに心から感謝申し上げます。終わらせていただきます。

 

○小杉主査

 これにて西博義君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明日2日火曜日午前9時から本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後3時58分散会


詳しくは衆議院 予算委員会・第四分科会会議録をご覧ください
(衆議院 会議録 予算委員会 第四分科会)


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