参議院 文教科学委員会会議録 第6号
 
(関係部分 抜粋)

第159回  国会

 平成16年3月30日(火曜日)

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○北岡秀二委員長

 義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 

【途中 削除】

○橋本聖子君

 ありがとうございます。

 やはり強化というものには大変時間が掛かりまして、今回のトレーニングセンター、四十二億円の予算措置をしていただいたことも、アテネはもちろんでありますけれども、四年後の北京のオリンピックにも大変な重要なことになってくるというふうに思っておりまして、本当に感謝申し上げます。

 三位一体改革を真の意味で実現するには、取捨選択して無駄を省いていくことも必要だというふうに思っております。無駄を省いて節約するためには、これまで投資してきたものをいかに有効に活用するかということも一つの戦略だというふうに思います。この人材育成ということも一つの投資というふうに考えたときに、それを回収するという意味でも大変重要なことではないのかなというふうに思っておりますけれども、やはりオリンピックに出場する選手に対して投資をして、そして子供たちに夢や希望、また経済効果というものを生むオリンピックでもありますので、そういったことに国が投資していくということにおいても大変な重要なことをしていただいているということですけれども、それをまた、その人材をまた新たに使うというとおかしいんですけれども、そういったことに関すると、各競技団体にどれほどの専任コーチが設置できるかということも次の世代に対しての人材育成にかかわってくる問題だと思うんですけれども、どれほどの専任コーチが今設置されているのか、少し教えていただきたいと思います。

 

○大臣政務官(馳浩君)

 文部科学省では、JOCが選手の育成強化を担う専任コーチ及びジュニア強化コーチを設置する事業に対して補助を行っているところでありまして、JOCとしてはこの補助を受け、平成十五年度においては専任コーチ二十七競技四十一名、ジュニア強化コーチ二十七競技四十名を配置いたしております。平成十六年度予算においても、前年度に引き続き同額の三億九千三百六十万円の予算を計上しておりまして、同程度の専任コーチを設置できるものと考えております。

 文部科学省といたしましては、目標としては、オリンピック三十四競技ございますので、できればその三十四競技に二名ずつは専任コーチを設置できればなというふうに目標として立てております。

 以上でございます。

 

○橋本聖子君

 ありがとうございます。

 本当に毎年毎年、御理解をいただいて専任コーチ制度というものを確立してくださっているわけなんですけれども、ただ、競技団体の専任コーチになれるのは競技をやっているほんの一握りの数にしかすぎないわけなんですね。そういったアスリートが第一線で活躍ができる期間は限られていまして、引退後の安定した生活といいますか、そういったものを築き上げていくためにほとんどの選手が四苦八苦しているわけでありますけれども、こういった状況を文科省では専任コーチという形で受け入れていただいておりますけれども、ほかの選手たちに関してどのような受け止め方をしていらっしゃるか、ちょっとお尋ねをしたいと思います。

 

○大臣政務官(馳浩君)

 世界選手権、オリンピックなどトップレベルの競技者が現役を引退した後の、いわゆるセカンドキャリアについて不安を持ちながら競技を続けているという実態は私もよく理解しております。また、そうはいうものの、今数字でお示ししましたように、専任コーチとして就任をして、後進に今まで培った技能、能力、経験を伝えることができるのは本当にごくわずかの一握りの人材であるということも事実であります。

 基本的には、私自身も思うのですが、スポーツには引退なしということを考えれば、生涯を通じてスポーツにできる限り関与できる活動をしていただきたいと思っておりますし、またスポーツだけが人生ではないわけでありまして、そういう意味でいえば、自らが自助努力で生計を立てることのできる職業を、能力を身に付けて頑張っていく、そういう選手もたくさんいるわけでありますから、まさしく本人の努力次第という点もあると思います。

 ただ、今、文部科学省としても例えば総合型地域スポーツクラブといった形で全国にやっぱりスポーツの拠点となるべき施設を作る努力をいたしておりますし、それをtotoの収益金などを使いまして、スポーツ振興基金なども使いまして整備いたしております。そういった中で、地域のスポーツクラブで働く、あるいはマネジャーとして働く、コーチとして働く、そういった機会をより多く持つことによってトップレベルの競技者がセカンドキャリアにおいて自分の力を発揮できる、こういう準備もしていかなければならないというふうに考えております。

 

○橋本聖子君

 ありがとうございます。

 政務官がおっしゃったように、スポーツがすべてではないわけですので、スポーツで培ったものをいかに社会へ生かしていくかということも、スポーツ界、競技界においても、今それをどうやって社会性といいますか、そういうものを身に付けていくかということをやっているところでありますけれども、頂点を維持そして活性化させるためには、やはり何といっても底辺が広く活気があることが必要だというふうに思っております。

 先ほどからアテネのオリンピックについて、多少ちょっと義務教育国庫負担法のことについてから外れた部分もあったかと思うんですけれども、最後に質問したいことに結び付けたかったからなんでありますけれども、競技選手の育成というのはやはり学校教育の場においても、やはり十分にそういったものを活用していただけたらなというふうな案があるからなんですね。

 今、私たちは元オリンピック選手ですとか又は世界選手権クラスで成績を残した者たちがそれぞれの職に就いているわけなんですけれども、やはりこれからは、それこそ体力の低下というものも問題にしている学校がたくさんあるものですから、学校そして家庭、地域というものに対して私たちが何か協力することができないだろうかということで各地域でNPOを作りまして、土曜日の在り方ですとかそういったことに出向きまして、選手がいろいろと生徒の皆さんにボランティアで体験学習等を今させていただくということをやっているわけなんですけれども、やはりそういった子供たちからしますと、ちょっと言い過ぎた言い方かもしれませんけれども、学校の先生に教えてもらう部活動よりも、やはりオリンピックの選手だった方たちから話を聞いたり、そういったことにすごく生き生きとしてくれるわけなんですね。そして、何よりも私たちの財産だというふうに自負しておりますのは、オリンピックや世界選手権等に出るためにやってきたトレーニングというのは、やはり体からにじみ出るようなものといいますか、それが体感といいますか言葉になって子供たちの心に突き刺さるような、心を伝えることができるという評価をいただいているわけなんですけれども、そういった体験や体感をした人間を是非とも教育の場に使っていただくことはできないかなと。

 今年二月に子どもの居場所プランというのを発表されました。地域との交流という意味でも非常にすばらしいプランだというふうに思いますけれども、それをもう一歩踏み込んだ形の中で、部活動においてですとか、そういう競技生活を終えたアスリートが、子供たちの指導が直接学校の現場でできるような仕組みというものを考えていただければというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。

 今、学校では先生たちが大変忙しくなりまして、特に週五日制になると逆に忙しくなったということで、部活動まで面倒を見切れない、やりたくてもやれない競技が、指導者がいないことによって部活動ができないという学校がたくさん増えているんですね。そういったことを考えましても、そういう人材を活用するということも学校には今必要になってきているんではないかなというふうに思いまして、是非お考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。

 

【以下 削除】  


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